【レビュー】PeakDesignのバッグ(EVERYDAY SLING エブリデイ スリング)を買った!壊れた!交換した!失敗した!そして…

個性的なカメラ製品を出し続けるPeakDesignからミラーレスカメラ向けの小型バッグ EVERYDAY SLING 2017年の頭頃に発売された。私はKickStarterで投資し、2016年の暮れにこのバッグを手にいれていたので、使用開始から約8ヶ月経過しようとしている。半年以上使い続けた感想をお伝えしたいと思う。

・EVERYDAY SLING

見た目にそぐわぬ大容量なEVERYDAY SLING
単焦点レンズを装着したカメラ1台とレンズ3本を収容可能だ。


EVERYDAY SLINGは見た目にそぐわぬ大容量な収容量を有している。
以下のカメラとレンズを一度に収容可能だ。

OLYMPUS PEN F + 12mm F2.0LK SLV
LUMIX G Vario HD 14-140mm F4.0-5.8 ASPH. MEGA O.I.S. (H-VS014140)
LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH. (H-H020)
M.ZUIKO ED40-150mm F2.8PROTC

バッグの詳しい情報はPeakDesignのホームページを見てもらいたい。

・EVERYDAY SLINGが壊れた!

ベルトとショルダーが分離してしまった。


2017年のGW中に起こった出来事である。

私はいつも通りEVERYDAY SLINGにありったけのレンズをつめて近所のお祭りへと出かけていた。その帰路である。

「ブチッ」

何か破れるような音がした。
初めは気のせいかと思った。

「ブチッ!ブチッ!」

明らかに何かが破れた音だ。
EVERYDAY SLING のベルトが切れてしまったのだ。

幸い、たまたまベルトを手に持ちながら歩いていたのでバッグが落下する前に手で押さえることが出来た。カメラやレンズが壊れる最悪の事態は回避出来たが、買ったばかりのバッグが壊れた事にショックを受けた。

ベルトとショルダーを接合する縫い目がなくなっている。


自宅に帰り、ベルトの破損部分を確認した。肩に当たるショルダーとベルトが分離している。ベルトが切れたと言うよりも抜け落ちていると言った方が良いだろう。ベルトとショルダーをつなげている縫い目が切れてしまったようだ。おそらく荷物の重さにこの部分が耐えきれずに切れてしまったものと思われる。

荷重のかかる場所にもかかわらず、縫い目がこれだけしかない。


私はPeakDesignの設計ミスではないかと思っている。なぜなら、切れてしまった縫い目の長さが3センチほどしかないにもかかわらず、1列しか縫い目がないのだ。これでは重さに耐えきれず糸が切れてしまっても仕方がないというものだ。

EVERYDAY SLINGを手に入れて半年も経たないくらいの出来事でショックは大きかった。

・PeakDesignに連絡を入れて交換してもらった。


私は内心かなり焦っていた。なぜならPeakDesignは海外のメーカーであり、なおかつKickStarterから投資という形で手に入れたからである。

KickStarterについて説明すると、投資によって資金を集めるサービスだ。開発者は製品コンセプトをKickStarterで公表し、目標金額を設定する。投資者は製品コンセプトを見て、その製品に投資するか判断する。

投資金額が目標を達成すればコンセプトは商品化される。投資者に対しては投資金額に応じてリターンを受け取ることが出来る。私が受け取ったリターンこそEVERYDAY SLINGなのである。

KickStarterは海外のサービスであるため基本的に言語が英語だ。商品の発送も個人輸入と同じ方法となるので、通常の商品購入より個人の責任が重い。ダメ元でKickStarter経由で販売元に連絡をとってみた。英語の翻訳は主にGoogleのサービスを利用した。

「保証あるよ!PeakDesignのホームページにあるサポートから連絡してね!」

という回答がかえって来た。
KickStarterではなく直接PeakDesignとやりとりしてね、ということらしい。

PeakDesignのサポートを受けるにはユーザー登録が必要だ。ユーザー登録のアカウントには、メール・Twitter・Facebookのいずれかをアカウントとして登録出来る。私はメールでの登録がうまくいかなかったのでTwitterで登録をした。

Twitterの登録内容はニックネームでも良く、ログインのアカウントとして使うだけのものだ。アカウントを作ったら個人情報を登録すればいいい。

次にPeakDesignへEVERYDAY SLINGが壊れた事を伝える。電話でも可能らしいが英語が話せない為、ホームページのフォームから送る事にした。

PeakDesignへの質問・要望は以下のページから行える。

私は何度か連絡をやりとりしてバッグを交換してもらうことになった。
やりとりの内容は大体以下のような感じ。

私「KickStarterに投資して手に入れたバッグが壊れたよ。助けて!」
PeakDesign「OK!バッグの※1シリアル番号と壊れた箇所の写真を送って」

PeakDesign「シリアル番号と写真を確認できた。バッグを送るよ。大体7~10日位で届くよ」
PeakDesign「届いたら、壊れたバッグは※2ベトナムのXXXまで送ってね」

連絡をしてからの流れは非常にスムーズで、返事が返ってきてから5日ほどで新しいバッグが届いた。海外の個人相手にこの流れは非常に素晴らしい。欲を言えば、壊れたのはベルトなのでベルトだけ送って欲しかった。

※1 バッグの中にタグがついていてシリアル番号が書いてある。
  PeakDesignから「ここにあるよ」と(写真付きのホームページを) 教えてくれる。
※2 PeakDesignはアメリカの会社。生産工場はベトナムにある。

・バッグの返品で失敗!


新しいバッグが届いたので壊れたバッグを送り返すことになった。初めて海外への発送である。分からないことだらけだが送り先の住所と連絡先はPeakDesignから入手済みなのでなんとかなるだろうと近くの運送会社の集荷所へ行った。

集荷所へ行って早速ミスが発生した。
と言っても私だけのミスではないのだが。

「えっ、海外への発送に郵便番号って必要なの?」

バッグの送り先はベトナムだ。ベトナムの住所はPeakDesignから教えてもらったものだ。しかし、郵便番号は知らされていなかった。

あとで分かった事なのだが、ベトナムでは郵便番号はほとんど使われていないそうなのだ。現地人は郵便番号なしで荷物のやりとりを行っていて「郵便番号?なにそれ?」的な感覚らしく、郵便番号自体知らない人もいるらしい。郵便番号を使う習慣がないので担当者がうっかり知らせるのを忘れたようだ。

PeakDesignに連絡をするとすぐ返事が返ってきた。ベトナムの郵便番号は 7000 だ。

郵便番号もわかり壊れたバッグを送付することも無事出来た。
送付にかかる費用は6000円を超えた。
痛い出費だが買い換えるよりましだ。

しかし、私はここで最大のミスを犯してしまった。海外へ品物を送る場合、品物の金額を記入するのだけどうっかり定価を記入してしまったのだ。

ここで記入する金額は税関がチェックするのに利用する。金額が高額だと税金が発生するのだ。この税金は受け取り側に支払い義務がある。

壊れたバッグは定価では売られない。なので定価を記入する必要がない。つまり、定価を記入した為余計な税金が発生してしまったということなのだ。

発送先であるベトナムの工場では壊れたEVERYDAY SLINGを受けとる際に税金がかかることを想定していないので、税関から受取人へ連絡(税金が発生すると受取人へ税金支払いの是非を問う連絡)しても返事がなく、壊れたバッグが1ヶ月ほど倉庫で保管されることとなった。

いちおう良いわけ。
PeakDesignの指示では金額を2ドル以下にするよう指定されていたのだが、わかりにくい文章の上Googleがさらにわかりにくく翻訳してくれたため、見落としていたのだ。

かくして、倉庫に保管されたEVERYDAY SLINGに対して手続きを行う事になった。

・どうする?選択肢は3つ


運送会社からバッグが先方へ届いていないことが知らされたのが、発送処理から1ヶ月後のことだ。時間がそれなりに経過しているため処理にお金がかかるかもしれない。運送会社に状況を確認してもらい私が取るべき選択肢を3つ教えてもらった。

1.定価で記入した箇所を2ドルに書き直す
2.日本へ送り返してもらい、再度発送する
3.現地でEVERYDAY SLINGを破棄してもらう(ただし、1ヶ月の保管料・破棄料がかかるかも)

1.は条件がかなり難しかった。

金額変更の書類をそろえて運送会社経由で税関へ送る。
金額を変更した理由をPeakDesign本社へ連絡し、ベトナムの担当者へ説明してもらう。
(金額変更の理由をベトナムの担当者からも説明しなくてはいけないそうだ)
これはPeakDesignにも負担をかけてしまう、現実的には難しい。

2.一見楽に見える手続きだがいろいろと問題があった。

まず、返品に費用がかかる。費用は6000~7000円で発送とほぼ同じ費用だ。
また送り返すとなると6000円かかるのでEVERYDAY SLINGがもう一つ買えてしまう。
運送会社に聞いたのだが、価格設定を2ドルに直しても税関のデータベースに登録されているため、結局1.の処理をしなくてはならないそうだ。仮に2.を選択するならばEVERYDAY SLINGを私のもとへ返品してもらい、PeakDesignには悪いが返さない方法もある(後でどんなペナルティーがあるか分からないので、あくまでも自己責任で行う事)
この選択も現実的ではない。

3.これが一番楽だ。

しかし、問題となるのが保管料と破棄料だった。
幸い、そのどちらも必要が無いとのことだったので、私は3.がベストだと考えた。(ちなみに現地の運送会社によって保管料・破棄料がかかることがある。私の場合はたまたま無料だった)あとはPeakDesignに破棄の了承を得るだけだ。

・快く了承してくれたPeakDesign!


私は3つの条件を提示して3.がベストだとも伝えた。
結果PeakDesignからバッグ破棄の了承を頂くことが出来た。

・返品にかかる手続きを振り返って


なんとか被害を最小限に押さえることが出来た。不慣れな事もあるが、発送前にPeakDesignへ確認をすれば余計な手間が発生しなかったハズだ。

もしかしたら、ちゃんと手続きを行えたら発送にかかる費用も返金して貰えたのかもしれない。(PeakDesignからのメールでPayPalのアドレスを教えて~返金なんたらかんたら、っていうのがあったんだけれど、これもGoogleの翻訳で変な日本語になっていた。残念ながらよくわからないまま返品の手続きだけ進めてしまったのだ)

分からない事があれば面倒でも確認の連絡を取るようにしよう。


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