【動画】4:2:0 8bit 4:2:2 10bitの違いってなに?

4:2:0 8bit 4:2:2 10bitの違いについて調べて見たけど良く分からなかった。

かろうじて分かったのが4:2:2 10bitはエンコードしても劣化が少なく、動画編集に向いているということだ。
だから、一つの動画を4:2:0 8bitと4:2:2 10bitでそれぞれエンコードした画質を比較すれば結果が分かると考えた。

1回エンコードした位では違いが分からないと思ったので、それぞれ100回エンコードした。

その動画がこれ。




結果は予想通り。
4:2:2 10bitの方が劣化が少ない。

 ただし、1,2回程度のエンコードでは違いが分からないレベルなので普段は4:2:0 8bitでも問題ないだろう。

今回は、この動画を作ったときの反省とか雑談的なことを書きたいと思う。


動画作成環境とか

編集ソフトはTMPGEnc Authoring Works 6
(ティーエムペグエンク、と読むらしい)
Windowsのソフトだ。


私が20年近く愛用しているオーサリングソフト。



よく動画編集ソフトの一つとしてあげられるが、当初の目的は動画のカットとmpeg2へのエンコードである。
フリーウェアとして出たのは1999年頃だったろうか?
1999年頃はテレビ録画をPCでするのが流行り始めた頃で、ビデオからDVDへの過渡期でもあった。

テレビの録画のCMをカットし、DVDの規格でもあるmpg2で保存することが目的だった。

このソフトには思い入れがある。
初めて導入したのはTMPGEncがまだフリーソフトだった頃だ。

当時は一般的なPCのマシンスペックが貧弱だったため(ペンティアムⅢ300〜450MHzの時代)エンコードに時間がかかった。
そのため、多くのソフトウェアはエンコード時間を優先し、動画の画質が犠牲となっていた。

そんな流れに逆らい画質を優先してエンコード時間を犠牲にしたソフトウェアがMPGEnc だった。
これがプロの目にとまりPS2のゲーム「鬼武者」のムービーにも採用された。

プロからも愛されつつもライセンス問題からフリーで出すことが出来なくなり、一時期はその姿を消した。
そして、ライセンスを正式に取得してシェアウェアとして生まれ変わったのがTMPGEnc Authoring Works シリーズである。
有料となった時点ですでにバージョンが「3」だったと思う。

インターフェースがより使いやすくなり、2017年になった今でもバージョンを更新しながら使い続けている。


TMPGEnc Authoring Works 6のバグに悩まされた動画編集

元々エンコードオンリー的なソフトウェアだったが、シェアウェア化に伴い編集機能が「後付け」された。
TMPGEnc Authoring Works 6で行う動画編集はおまけだと思っているが、今回はそのおまけで悩まされることになった。

・エンコードする度に動画の再生時間が長くなる
一つの動画を100回エンコードしてようやく気づいたのだが、エンコードする度に動画の再生時間が長くなることに気づいた。
正確なところは分からないが、オリジナル動画より0.02〜0.03秒ほど再生時間が長くなっていた。
オリジナル動画が約5秒なのだが、100回エンコードした動画は約8秒となっていた。

動画最後の1フレームが静止画として最後尾に追加されるみたいだ。
そして、その分再生時間が長くなるのだ。
100回エンコードをくりかえして、ようやくこの事実に気づいた。

尚、この現象はTMPGEnc Authoring Works 6のコミュニティにて2017年の3月頃に報告されていたようだが、現象が再現されないようで未解決のままだ。
私の場合、5月末時点の最新バージョンで事象が発生した。

・クリエイティブ編集モードで動画を結合すると画面が一瞬暗転する
まず、動画をごらん頂きたい。


動画の2:15辺りで、4:2:2 10bit側が一瞬ちらつくのが分かるだろうか?
実はこれもTMPGEnc Authoring Works 6のバグなのである。

TMPGEnc Authoring Works 6は、切り取って歯抜け状態になった動画を一番左(タイムラインの初め側)へ詰めることが出来る。
この機能を使うと、まれに画面がちらつくようだ。
4:2:0 8bitも同様の機能を用いて「左へ詰めた」のだが、事象は発生しなかった。

手作業で一つ一つ修正してちらつかないようにしたのだが、もれがあったようだ。
なので、この場を借りて弁明している、私のせいじゃない、バグなのだ。


動画作成中の苦労話とか

実は当初のオリジナル動画は4Kを予定していたのだが、思ったよりもエンコードに時間を取られてしまったため断念した。
オリジナル動画をFHDへと変更しエンコード時間が短くなった、それでも100回のエンコードはきつかった。
出力した動画を今度は入力として使うのでバッチも使えない。
さすがに一日で終わらせる気力はなかった、毎日少しずつエンコードして2週間ほどかかっただろうか。

動画を作り終えてから気づいたのだが、動画の画質(ビットレートとか)をもっと下げておけばよかったと思う。
そうすればエンコードによる動画の劣化が顕著になり、もっと少ない回数で結果が出たはずだ。
エンコード時間も短くなるし…

今回の動画作成は、マシンスペックの足りなさを痛感した。
編集箇所のプレビュー、テキストの追加、動画の追加など、カーソルを動かすだけでも動作がもたつく。
メモリーを16GB積んでいるのだが、それでも足りない。


わずか3分程度の動画だがタイムラインにこれだけ入力するとさすがに動作が重い。


2013年に購入したゲーミングPCで、そこそこのスペックをもっているのだが、結構つらい。
わずか1秒とはいえ、100×2個の動画を一度に編集したから当然か。

軽さを求めるなら4:2:0 8bitと4:2:2 10bitの動画をそれぞれ作り、それを1本にまとめるのがいいだろうが、この検証動画は画質を検証するものであるため余計な編集を間に入れたくなかったのでやらなかった。

そうそう、この動画を作るにあたって致命的なミスを犯したのを告白しよう。
当初、画面の左側を4:2:0 8bit、右側を4:2:2 10bitの動画を配置する予定だったが、テロップ表記とは逆の動画を配置してしまったのだ。
これでは4:2:2 10bit動画の方が画質が劣化してしまう。

しかも、よく確認するとすべての動画が間違っているのではなく、ところどころ入れ替わっている状態だったのだ。
これをエンコード100回目までタイムラインに入力した時点まで気づかなかった。
さすがに100回もエンコードしたあとで、完全に修正する気力がわいてこなかった。

結局、4:2:0 8bitと4:2:2 10bit動画の大半が逆に配置されていたので、テロップ表記の左右を入れ替え動画の配置修正は最小限にとどめた。
だから、4:2:2 10bitが「左」で4:2:0 8bitが「右」なのである。

動画の素材は出来上がったので音源の素材作りである。
音声はボーカロイドを使うことを当初から予定していた。
ボーカロイドは以前から興味をもっていた。

ゆっくりボイスがあまり好きではないので「琴葉茜」「琴葉葵」を選んだ。
一つのパッケージで2種類の音声でお得!と思ったのも理由の一つ。

音源はSonyのACID MUSIC STUDIO 7(以下、ACID)という作曲ソフトで作曲することも出来るのだが、今回は使わなかった。
ちなみに、ACIDはループ音源をつなげて曲をつくる作曲ソフトだ。
3,000以上ある音源を適当に並べるだけで作曲出来るので、ガレージバンドより楽かもしれない。
今回これを使わなかったのは、作曲したオリジナル曲が著作権違反としてYoutubeの審査に引っかかった経験があるからだ。

オリジナル曲のハズだがアーティストの曲に酷似しているらしい。
(外国の、どこのだれだか知らないバンドだった)
そういうわけでオリジナル曲を使うのが怖くなってしまった。
動画の作り直しはつらい。

そういうわけで音源についてはフリー素材から拝借することにした。 


なんとなくまとめ

とういう苦労をかけながらようやく出来上がった動画を見てもらいたい。
なんという再生数だろうか。
世間では4:2:2 10bitとか全然興味無いのだろうか。

同情でも良い、苦労して作った動画を少しでも見てもらいたい。

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